★シータの憂鬱(シータ×??)

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「んっ・・・」 抜く時でさえ感じるらしい。若いと多感なのかな?ま、どっちでもいいけど。 僕は身だしなみを整えさっさと路地から出た。 後ろから少年が声をかけてくる、またやろうとかそんな事だったと思う。 (ごめんね、君のことなんてもう顔も覚えてないから。) 振り返らずその場を立ち去った。 僕は時々こうやって欲求を発散している。 店を出てすぐの裏道を進むと“蛇の住む路地”につくのだが、ここには僕みたいな奴がうろついてていい発散場になってる。 =今日も楽しそうだなあ= 路地を戻ってると、いつもの声が聞こえてくる。僕にとり憑いてる悪魔の声だ。 「うん、楽しかった、意外にね」 (ルトのこと考えながら出せたし) いつものように悪魔は姿を見せない。笑い声だけが響いてくる。行為後特有の脱力感を感じながらため息をついた。 「はあ~」 =なんだよ?物足りなさそうだな。もう一人つかまえるか?= 悪魔が楽しそうに提案してくる。 「そうしてもいいけど」 ――乾く、もっと欲しい でも、この乾きはルトにしか埋められない。 何人やっても変わらない。この乾きについては実はもうすでに実施済みで、10人ぐらい連続でやったことがあった。 その時も、最後までこの気持ちは消えなかった。 「・・・今日は疲れたかな」 =おっさんかよ= 「いーの」 昔から何も得意なことはなかった。 だけど、ルトについては、誰よりも好きでいる自信がある。 きっとあのバンでさえも上回る程に。 そう思うと、優越感を感じた。 (明日、何かお土産持ってルトに会いに行こう、あ、それかプレゼントを贈ろうか?でも普通に渡しても受け取らないだろうし・・・ふふ、楽しみだな) ルトのことを考えながら僕は路地を抜け、店へと戻った。 その足取りは軽く 悪魔の声も聞こえなくなっていた。
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