★Everydayサカナ(ザク×ルト)

3/6
前へ
/201ページ
次へ
「でも~~!」 「・・・・」 ――もぐもぐ 「なあ~~~って?」 「・・・・」 食い下がってくるザクを無視してまた一つ魚を口に入れる。うん、新鮮でやっぱうまいな。口に広がる酸っぱさと魚の程よい塩加減。海の幸を味わっている感じだ。 「ルト~~ー・・・」 ――もぐもぐもぐ 「~~こんのっわーったよ!!」 「――?!」 ―――ガタタッ 大きな音を立てて椅子が床に倒れた。 ――そして次の瞬間、 ザクが俺に覆いかぶさるように口付けてくる。 あまりのショックで反応ができない俺。 (え???はあ???なにこいつ急に盛ってんだ!!?) 「・・・ーっんん!ぷっは!なにすんだよ!!ザク!」 「っは・・・はあ・・・・」 息を荒げ俺を見下ろすザク。 ザクの赤い髪が俺の頬をかすりこそばゆい。強い力で両腕を押さえつけられてるので避けることもできない。 (やばいやばいやばい!) 焦りが募っていく。ザクは先の割れた赤い舌をぺろりと怪しくのぞかせ、喉をゴクリと鳴らす。ちょ、なにその反応・・・ (空腹のせいで、まさか俺が肉に見えてる?!) 「こうなりゃ仕方ねー・・・ルトの血をいただく」 「は、はあああ????」 (やっぱか!!!!) 何どこぞの吸血鬼みたいなこと言ってんだ!ジタバタと暴れ抗議をしてみるが、そんなのお構いなしに俺の首に口付けてきた。おい!そんな見えるとこにアトつけんな!またバン達にからかわれるだろ!! 「おい!バカ!今俺食事ちゅ」 「気にすんな、俺様も食事中だから」 「この状況で気にしないのは頭イカれてるだろ!!馬鹿ザク!!死ねっんむーー!!」 俺が叫んでると、手で口を塞がれた。 ――そこでやっと気づく。 ザクの爪がいつもより伸びててより獣らしくなっていたことに。そして体にかかる熱く、荒い息遣い。目はランランとしていて、まるで飢えた獣が目の前にいるみたいな威圧感があった。 (・・・ザクのやつ、本当に血が足りなかったのか?) とはいえこの状況に納得できるわけもなく。ザクと格闘する俺(劣勢だけど) 「んんん!(離せ!!)」 「うるっせーな。鳥が起きるぞ」 「んん、んんんんーー!(お前が離せば、いいことだろっ)」 「あー?なんかいったかー?」 全く聞こうとしてないし。でも俺も少しだけ音量を下げた。
/201ページ

最初のコメントを投稿しよう!

567人が本棚に入れています
本棚に追加