★シータの憂鬱(シータ×??)

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―――昔からそうだった 「バン・・・やめときなよ、危ないよ」 「ハハハッこんなの楽勝だって!シータはそこで待ってればいいからな!」 そう言ってバンは、あっという間に木のてっぺん(公園で一番高い木の)まで登り詰めてしまう。僕はただ見上げるだけしかできない・・・いや、見ているだけなのに震えてくる始末だ。 情けなさすぎて・・・でも何もできなくて。 「おーい!シーター!見てるかあ?」 「見えてる!やっぱりバンはすごいね!」 精一杯取り繕って答える。 バンに嫉妬してる自分がいるなんて知られたら、・・・それこそ恥ずかしくて死んでしまうだろう。 何でも出来てしまう友人。 それを見てるしかない そんな自分が嫌だった。 「ずっと気になってたんだけど、シータとバンはどうゆう知り合いなんだ?」 「え?普通に幼馴染みだぞ」 バンが当たり前のようにルトに答える。そう、僕達は幼馴染みだ。・・・バンにとっては。 (僕にとっちゃ嫌味な存在だよ) 「・・・バン、こんな変人と付き合ってて変人扱いされてないか」 「ははは、大丈夫だよ」 「ならいいが・・・」 ルトが口を尖らせて言う。 そんな姿も愛らしい。 今ルトたちは僕のアルバイト先である店に来ていた。単に昼をとりにきただけだろうがルトの顔がみれたのは嬉しい。 僕は二人の前に頼まれた料理を置く。 そして口を開いた。 「ひどいなあ、まるで僕を害虫のように扱ってて~いくら僕でも傷つくよー?」 「いや、お前すんごい幸せそうに笑ってるじゃん」 「あ、ばれた?」 「・・・・」 「ははは!」 バンが景気よく笑った。 ルトはその笑顔をみて、今までのしかめっ面をほどき、ふっとつられ笑みをこぼした。 ――まただ。 僕のほしいもの、作りたいもの、やりたいこと。 すべてバンがやってしまう。 拳を握りしめ、感情がおさえられない顔を下に向け隠した。追いうちのように前から楽しそうな二人の声が聞こえ、僕はより強く拳を握りしめた。
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