第1章

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「日下部さん、今週やたらと付き合い悪くないですかー? 昨日なんてさっさと帰っちゃったし」 「疲労がきているんだよ。お前らも四年後はこうなる。諦めろ」 「とかなんとか言って、実はオンナだったり」 「お前知らないのか? 日下部さん同棲六年目だぜ。ほら、わかったらウチらだけでいくぞー」 「えっ! なんで教えてくんねーんですか! 日下部さん狙いの事務ちゃん結構いるんすよ?」 「仕事のモチベ下がるだろうから、内緒な」 「へーい!」  フランク過ぎる付き合いを許してくれる上司として、もうすっかり後輩に懐かれてしまい、若い組から朝呑みに誘われるが、それを断って帰路へつく。  身なりにそこそこ金と時間を費やしているからか、性別問わず評判はそれなりだ。頑張った甲斐がある。  駅から家までの道のりにあるスーパーに寄っておつかいを済ませ、ようやく帰宅となる。
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