第1章

9/20
前へ
/25ページ
次へ
「さて……。どうするかな」  明日は俺も休み。今日のところは疲れもあるし、少し寝よう。  三角表示だった昼食の用意はと探りを入れると、作り置きのおかずが丁度ふたりぶんあるかどうか。米は炊いてある。俺の腹がこれらで足りる確信が持てないから三角だったのだろう。 「肉じゃがのレシピは――、あったあった」  俺好みの食事を作りやすいようにと、そういう何年もかけた努力の結晶をひとまとめしたファイルから、お目当てのレシピを引っ張り出す。  買ってきたものと照らし合わせても、やはり肉じゃがの予定だったことがわかる。 「起きてから作るか、寝てから作るか……」  目を閉じて悩み始めて数秒、眠気が勝る。こりゃダメだ。  ホワイトボードの夕食部分に赤ペンで「作るよ」と一言添え、自分の部屋へと向かった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加