第1章

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「あれ?今日もバイト?最近、よく会うね」 まゆは、息を弾ませながら笑顔を見せた。 空気がひんやりとしているせいか、頬が赤い。 そんなまゆから視線を逸らして、 「また散歩?なんだっけ、テツだっけ?」 拓巳は足元でワフワフしている犬の頭を撫でながら聞いた。 放課後、毎日この公園でまゆはテツと散歩をしている。 その事を知ったのは、拓巳がたまたまバイトに遅刻しそうになり、近道で公園を駆け抜けた時だ。 じゃれつく犬をたしなめながら、楽しそうに走る中学時代の同級生の笑顔が眩しかった。
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