私の始まり

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小学二年生の頃から始まった強すぎる性欲。人形を好きな男の子に見立てては、こんなことされたい、あんなことされたい、と想像して、毎夜のごとく息を荒くしていた。 サンタクロースにも願った。プレゼントは好きな男の子達に姦されたい、と。だが願いは叶うことはなかった。サンタクロースの正体は両親であったし、両親に心の声など聞こえるはずもなかった。 私の体も成長が早かった。三年生の終わり頃に始まった生理。四年生には胸はDカップにまで成長した。それと一緒にお腹も大きく、つまり太っていったのだ。 クラスメイトの男子にスカートめくりをされたい、犯されたい。こんな卑しい感情を抱いていたエロガキだったわけだが、意外と勉強も好きだった。 というのも、近所に住んでいた四歳離れた姉の同級生Yちゃんの影響だ。彼女は成績優秀、スポーツ万能、そして面白い性格!彼女を嫌いな子などいなかった。 Yちゃんのようになりたくて、進学塾に通うことを決意した。 この進学塾での勉強はもちろん、中学受験に向けてのものだ。小学生の頃は偏差値60程あったはずなのだが、きっと今の偏差値は40もいかないだろう。いや、変態の偏差値ならきっと80を超えているかもしれない。(笑) だが、進学塾に通い始めたことが私の運命の分かれ道だったと思うと、今でも考えるのだ。 もし塾に行かず、公立中学、高校と行っていれば違う未来があったのではないか、と。 正直、中学受験の為の勉強は地獄だった。というのも、恐ろしい教育ママのせいだ。 一つ問題を間違えれば、竹刀で何度も叩かれる。手を噛まれ、髪を引っ掴まれ・・・大泣きしない日はなかった。 今なら少しだけ母親の気持ちが分かる気がする。少しでも良い中学校に通わせ、エレベーター式で大学まで卒業出来れば、就職には困らない。親心からの厳しさだったのだと。 だが、当時は理解出来なかった。四年生の頃、初めて自殺を考えた。台所から包丁を取り出し、矢先を自分の腹に向けた。 あと少し、あと少しで死ねる、勉強地獄から抜け出せる、母親に叱られることもなくなる。 でもやっぱり怖かった。包丁で自分を刺した時の痛みは尋常なものではないのだろう。それは小学生でも容易に想像出来た。 結局、自分の腹を刺すことなど出来なかった、四年生。
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