114人が本棚に入れています
本棚に追加
これはミラクルですよ、僕がシベリアの氷よりも冷たい視線以外で女子社員に注目される事とかあり得ないですからね。ミラクル、わぁお、ミラクル。
は?ミラクルはあまり好きじゃない?ばっかじゃねぇの?
好きに決まってんだろ、ミラクル最高!
しかし、ここでミラクルに甘えてしまっては、きっと駄目になる。
僕は考えてた。この小さき穴を、女子社員と僕の間にあるシベリア永久凍土並に硬い壁に開いた小さき穴をどうやって広げるか。
やがて結論に達しましたよ。その間、約3秒。
僕はこーゆー事に関してはシカマル以上に頭が切れます、十手先まで二百通りの考えを導き、その中から最善の手を打つ。
考えた事を簡単にいえば、モテない理由はこれなんだと。いや、これこそがモテる男のスキルなんだと。インテリなんだと。インテリジェンスオブモテる男なんだと。略してイリオモテ男なんだと。
脳内で素晴らしい方程式ができた僕は、「まぁ、読書もそうですし、クラシックなんか聴いたり、株の動きなんかもチェックしてますよ」とかウソ八百並べてやりました。
株の動きなんか見たことない、むしろ女子社員の動きしか見たくない僕が。
うん、もうね、言ってる本人が意味わかんない。
クラシック聴きながら株の動きチェックて、エリートじゃねぇか。
もろエリートやんけ。
そんな事するくらいなら、マリリンマンソン聴きながら掲示板の動きチェックしとるわ。
コーラ飲みながら『うぜぇぇ』とか発言しとるわ。
でも、効果は抜群だった。ポケモん並に効果は抜群だった。
なんかもー、普段のおちゃらけた態度はみんなを楽しませるタメだったんだみたいなふいんき(何故か変換できない)になってた。おいおい、マジかよ。あっちゃー、コレなんなの、やばいやぶぁい、なになに、これなに、もうつい「これなんてモテキャラ?」て言いそうになった。
と、いきなり上司が
『どんな本とか読むの?』とか言ってきた。
奇襲だ。僕は油断していた。いや、勘違いしていた。僕は女子社員と話しているのではなく、上司と話していたんだ。
焦った僕は
『え、え、えっと、〇〇倶楽部(タイトルからして18禁)です!』とか言ってもうた。もう、なんか超男前な顔で言ってもた。
『エロ本じゃねぇか!!』
社員全員がハモった。ミラクルが起こった。ミラクルうざい、まじうざい。もう嫌だ。ミラクルとかもう嫌だ。
最初のコメントを投稿しよう!