「依存」

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「依存」

「実は俺は依存性なんだ。」 突然の告白に彼女は戸惑った。 「わたし依存性でしょ?」 おどけて返したものの彼の表情は真剣なままだった。 「そうだとでも言える。でもまだ我慢してるだろ?今までの恋人と別れたのはこの症状のせいなんだ。」 「???、我慢って何を我慢してるの?」 「ずっとしていたいんだよ。それが毎日の中心になるぐらいに。一体感が無ければ生きられないんだ。」 一体感...。それってやっぱり...。 「そうだよ、お前が思ってる通りセックスだよ。」 「ずっとしてたいの?嬉しいけど男の人って萎えるんじゃないの?」 経験と知識からなんとか声をしぼり出した。 「たとえ一旦、萎えてもそこからどれだけ愛してるか?自分への答え探しになるんだ。」 「そういうものなの?体力は大丈夫なの?」 「それも含めて自分が問われるんだよ。」 なんだかストイックなように言ってるけど異常性向とかじゃないのかな...? もっと普通な人だと思ったけどそうじゃなかったんだ...。 「中心って何時間ぐらいなの?」 「眠る時間を削ってでも。休みの日には本当はずっとしていたい。」 そんなの私の体がもたないよ...。 「無理って思ってるんだろ?そうだと思ってわざと淡白に切り上げてたんだ。でももう我慢できないよ。」 「精神的なものが原因じゃない?心療内科に一緒に行ってみようよ。」 「普通じゃないのはわかってるよ。でもこれじゃなくなったら自分じゃなくなってしまう気がするんだ。」 好きな人だけどそんなの無理だしどうすればいいのよ...? 「無理だって顔に出てるね。だからって俺が他にも女つくるなんてもっと嫌だろ?別れるしかないか。」 なんでそんな展開なのよ。本当は私と別れたくて話し作ってるんじゃないの? 「作り話だとか疑ってるんだろ?じゃあ今度の休みに試してみる?」 「そうね...。このまま別れても何もわからないままと同じだから...。」 日曜日になり二人は朝から重なり合った。 彼は休み休みにしたかったのに彼女は休む間も惜しんで次々と求め続けて彼は体が悲鳴を上げてダウンした。 彼女の依存性が開花したのだった。
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