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「果て」
ついに来た、この国の果てが。
予想通り懸念された年金破綻である。超高齢化でただでさえ未受給者の掛け金では追い付かない上に未納者もますます増えた。
元々このシステム自体に欠陥があったのは言うまでもないが、さらに運用の名目で景気対策に注ぎ込まれた大金が世界的な株価暴落で一日にしてかなりの額が泡と消えたのだ。
少額受給者が生活保護に頼っていたように年金で暮らしていた老人は役所へと殺到したが年金が破綻したのだから当然、生活保護など全て打ち切られた。
つまりは高額預金者以外は死ねということを意味した。
バタバタと倒れて行く老人達を目の当たりにして明日は我が身と若者は政治家や官僚に襲いかかった。
殺戮の連鎖。
バカアメリカの得意技だ。
荒廃を極めつつある我が国でまだ生き延びている人間は、もっと早く行動を起こしておけば良かったのにと遅すぎる後悔に苛まれるだけだった。
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