第一章 サンタクロースの絶叫

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俺の名前は秋王再股流(しゅうおうさいまたる)。 どこをどうとっても宛字としか言えない俺の名前をつけた親はなかなかのネーミングセンスをお持ちだ、とかなんだとか、もしここが小説の世界ならそんなことを考えたりしている頃だろう。 ここは剣と魔法が当たり前のように存在し、空飛ぶドラゴンなんてものまででてきたりするーーーーなんちゃらワールド、なんてところではない。 剣も魔法も、ドラゴンも。 全ては人の描く夢の中でしかやってこない残念な世界。 地球という惑星に、なんの因果か生まれた生物がきっかけで二本足で歩き言葉を話し、時には戦う人間の住まう世界。 なんてことを言っていると、俺が人間ではないように感じられるかもしれないが残念ながら俺は人間だ。 もっとも、今朝の夢でゲームのログイン画面を想起したよくわからんシーンを映像的に見てしまった、ただの腐れ高校生であったりする。 高校生というと高校に通って授業を受けて、くだらなくも他愛のない会話に興奮する時期と捉えることができる。 俺は女の子が好きだ。 しかし、それも人をいじめてくるようななかなか精神攻撃が得意な女の子が好きだ、とかいうちょっと変わった好みをもっておりなおかつ趣味はアクションゲームとかいうなかなか年頃の男の子だったりする。 この物語は、というおきまりの前置き文句をのこして俺はベッドから起きなければならないわけだがまあ、なんというか朝の日差しが眩しすぎる。 もう冬だというのにこれでは夏を思い出してしまうと、心のどこかで思ってしまった。 やれやれ、第一章はここから始まるのだというのに。
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