第一章 サンタクロースの絶叫

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俺が遅刻を嫌うようになったのは極端な理由で、単に好きな子にいじめられなくなったからだ。 俺には少し変わった嗜好があり、人を好きになるとそれがどんなに性格の良い人でも熱が一気に冷めてしまい、逆に性格の悪い人の方に熱が傾いてしまうという難癖がある。 それを嗜好と俺は呼ぶことにしているが、もちろんこんなこと人に話したら変態のレッテルを貼られて一生人目を気にして生きていかなけれなばならなくなってしまう。 そんな可能性も秘められていた。 だが幸い、俺は精神的に異常はなく、ただ単に俗にいうMという部類に入るのだということは理解している。 俺の初恋は実は小学生の頃だったりして、実質ものすごく女の子が好きだったとその頃から思う。 小学生の頃、好きな子にちょっかいをかけたり好きな子のものを取ったりするという奇行が行われるという、あれだ。 高校生になった今ですら女の子が好きなわけだから、その当時は相当のものだったのだろうと思う。 マグカップを片手に、二杯目のコーヒーを注ごうか迷いながら、過去の自分を思い描く。 ーーーーーーーー 当時小学生だった俺は、元々くそ真面目な性格だった。 だったというからにはそうではなくなった原因と理由が少なからずあるわけで、実質俺にその原因と理由が、多からずともあった。 小学二年生までテストで80点以下を取ったことはなくほとんどのテストで満点だった俺は、なぜかその腹いせにある不良グループに目をつけられた。 彼らに目をつけられたことをきっかけとして、これは変わらなくてはと小学四年生の頃に思って割とキチガイじみた変わり方をしたなと俺は思い出す。
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