第一章 サンタクロースの絶叫

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変わらなくてはと思ってから十日後のあの日、俺のいたクラスで林間学校の班決めがあった。 その班決めで一緒になった女の子がまあ俺が好きだった女の子だったわけなのだが、幸か不幸か同じ班になってしまった。 俺はあの時のことをいつまでも引きずることもなく今を過ごしているが、この物語に深く関わりすぎていることなので真剣に話しておこうと思う。 俺がその子を好きだったわけ、というか理由は俺のことを気にくわないからちょくちょくガンを飛ばしたり睨みつけたり舌打ちをしたり、そんなことをしてきてくれた女の子だったからだ。 言ったであろう? こんなこと人に話すと変態扱いを受けると。 まさにそうなのだ、俺の嗜好は変態で、好きになった女の子が嫌がらせをしなくなったというだけで好きという感情がどこか空の奥の方に逃げていってしまった。 俺にとっての好きとは、精神的に嫌がらせをしてくるから自分に興味を持っていると判断し、それがなくなってしまったら嫌いになってしまうというものだった。 まあ話が脱線したので仕方なく元に戻すことにしないといけないのだが、俺が好きになった女の子は精神攻撃を同じ班になった途端、やめてしまった。 だから好きな子がいなくなったという現実に一時的にダークになり、それってつまり俺のことを腹いせで悪く言ってきた不良グループたちと同じような気持ちなんじゃないかな、といったところではないだろうか。
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