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「もう仕事上がりでしょう?一緒に食事でもどうかと思って」
「だからって何で事務所まで……」
「一度来てみたかったの。錦の働く法律事務所に。素敵な内装ねー」
執務室に入ってくると、本棚やデスクをあちこち見て回る姉さん。
峯岸さんはというと、
「では、私は失礼しますね」
「あ……」
執務室から出て行ってしまう。
何か変な誤解をされていないだろうか……
気になって仕方ないが、弁解する勇気もない。
〝私には桜庭先生の私的な事は関係ありませんから”と言われたら、それでもうアウトだ。
「やだ、この子。生意気に眼鏡なんてかけちゃって」
「姉さんに関係ないだろ……!とりあえず、もう帰るから大人しく待っててくれ!」
「はい、はーい」
それから数分後。
突然、現れた姉にこれ以上居座られても困ると、慌てて事務所を出た。
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