1、弁護士桜庭センセイの秘めごと

9/21

219人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
「ねー、お腹すいた。錦の手作りの何かがいいー。やっぱ肉かなーサラダもつけてね」 とか言って煩いので、帰り際、スーパーにも寄った。 マンションに帰宅して、ステーキ肉を焼いていると、 インターフォンが鳴る音がして、テレビ視聴で忙しい姉は勿論動く気配もないので俺が出た。 『錦ー?あたしー』 「……!?」 『とりあえず、外寒いからさぁ、早く開けてー』 また厄介な人物が来た、と正直思う。 訪ねてきたのは、見るからに高そうなコートを羽織った女性。 「錦ー、身体冷えたー、あったかい紅茶が欲しいー」 「紅茶ぁ??」 いきなり押しかけてきて、何贅沢な事を言っているんだぁ?と苛立っていたら、 「私はシャンパン。ヴーヴなクリコちゃん」 「……なっ!?」 もう一人、似た顔の派手な女が居た。 「二人して何なんだよ、急に!?」 「あ~…っ!女物の靴がある!だから、そんなに焦ってんのか!?」 リビングでくつろぎまくっている姉の靴を発見するなり、二人とも靴を脱いで勝手に上がってくる。 「おい!靴ぐらい揃えろ!」 「「それよりもルブタン女の顔見る方が先だしっ!!」」 ハモリバッチリで部屋の中へ。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

219人が本棚に入れています
本棚に追加