練乳小豆団子

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「あの、今日は田村さんはいらっしゃいますか」 「お休みだけど、練習したいなら操作してあげる」 「いや結構!俺がするから大丈夫だ」 後ろからリーダーの声がしてビクッとしたが、昨日も来ていたのに、顔に似合わず真面目だと驚かされる。 「俺は百合さん達に言ってんの!三人だと数も中途半端だし、俺は防御だから都合いいよ」 「受付暇だからって、勝手に入ろうとするな!」 リーダー達が言い争いをしてる内にロッカーで着替えを済ませ、練習用のパネルの操作も教えて貰おうと考えていた。 つなぎ姿で受付に戻ると八雲さんがついてきそうだったが、着替え終えたリーダーが強引に部屋に向かい後に続いた。 正直リーダーの方が自分のペースで出来る気がするし、たまには落ち着いた環境でトレーニングもしたい。 「俺も、稲腕使えるようになった」 「そうですか、私は羽根つきの時だけだったんで又練習したいです」 交代で練習しようと計画を立て部屋に入ると、既に明かりがついていて、ガラスの部屋には滋さんとイナリが顔を覗かせていた。 ギクッとして後ずさりすると、後ろからは八雲さんが部屋に入って来る。 「俺は百合ちゃんとペア組むよ、悟は瑠里ちゃんね」 三人は苦笑いでお互いに顔を見合わせたが、滋さんは不気味な笑顔を見せ社長より何だか怖い。 「じゃあ、俺らから行こっか!」 八雲さんに促され諦めて真ん中に移動すると、影が浮かび上がり双棒に手を伸ばす。 仕事よりもハードな敵を出してくるかもしれないので、ゴクッと唾を飲み心を沈め『かかって来い』と気合を入れ、年明け早々の敵を前に睨みを利かせた。 (完)
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