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これでこの人は本当の黒田拓也になれる。
「これで良かったんだよ」
彼の方を振り向くと無機質な何かが額に当たった。
「なーんて、嘘、偽物でした。さっきも言ったけど、これには塗り替えが出来るんだよ?簡単に言えば記憶のね。まぁ、上手く調整出来るかは分からないけど」
あぁ、僕の額に当てられているのは拳銃と同じだ。
「大丈夫。これで最初から戻れるから」
安心して、と呟くように言う。どうやったら、安心しろなんて言えるのだろう。安心なんて出来るわけない。
本当に僕はどこで間違えたのだろうか?
「じゃあ、また」
それだけ言うと後はピッ、と音だけが頭に残っただけだった。
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