第1章

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笑いながら彼がどんどん近付いてくる。それと同時に痛みもどんどん堪え難いものに変わっていく。 「ま、待って!」 僕の制止で足が止まる。彼が不思議そうな顔をしている。それもそうだ、僕の体質なんて知らないのだから仕方無い。 「待ってってどうした?俺はずっと君と友達になりたいと思ってたんだけど…」 彼がそんなことを言うなんて、これっぽっちも予想していなかったから、一瞬だけだが、痛みも忘れてしまった。 すごく嬉しいはずなのに、両手を上げては喜べない。彼と友人になったとしても、僕は彼に近付けないから、友人らしいことは出来ない。 だが、友人になってくれるというなら、僕の体質の話を聞いてくれるだろう。 「じ、実は僕、電磁波過敏症なんだ…」 彼は一瞬、驚いたようだったが、すぐ納得したように頷いた。 .
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