3人が本棚に入れています
本棚に追加
笑いながら彼がどんどん近付いてくる。それと同時に痛みもどんどん堪え難いものに変わっていく。
「ま、待って!」
僕の制止で足が止まる。彼が不思議そうな顔をしている。それもそうだ、僕の体質なんて知らないのだから仕方無い。
「待ってってどうした?俺はずっと君と友達になりたいと思ってたんだけど…」
彼がそんなことを言うなんて、これっぽっちも予想していなかったから、一瞬だけだが、痛みも忘れてしまった。
すごく嬉しいはずなのに、両手を上げては喜べない。彼と友人になったとしても、僕は彼に近付けないから、友人らしいことは出来ない。
だが、友人になってくれるというなら、僕の体質の話を聞いてくれるだろう。
「じ、実は僕、電磁波過敏症なんだ…」
彼は一瞬、驚いたようだったが、すぐ納得したように頷いた。
.
最初のコメントを投稿しよう!