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確かに傍から見れば、こんな会話は、
イイ年をした夫婦のくだらないやり取りかもしれない。
しかしイイ年になろうが、年甲斐無かろうが、イチャつきたい時はあるもの。
その上、愛する人とのそんなひと時は、
どんなくだらない行為も会話も楽しく、幸せなものだとつくづく思う。
そして、その夜。
いつもの様に、ベッドに入った私をふんわりと抱きしめた彼が
ポツンと切り出した。
「ねぇ、香奈」
初めてのこちらの冬は、想像以上に凍てつく。
それだけに毎夜の彼のハグは、東京にいた頃よりも
ずっと大きな温もりそのものに抱かれる安心感をもたらしてくれる。
そんな心地よさに身も心も委ね、いささか夢心地で
「んん?」と相槌を打つと、少しおずおずとした彼の声が降ってきた。
「今度の年末年始なんだけどさ、
やっぱり、元日にご挨拶に行かないとまずいよね?」
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