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えーと、ガイと申します。
只今観客席にて、俺の代理で来てた友人のとこに来たんだけど…
「ガイさん聞いて。期待の新人いた」
ガ「…ルイス、優勝候補が欲しいって言ってなかった?」
「あ?あんな弱っちいのはもういりませんよ」
そこまで背の高くない俺に対し、上から見下ろしながら言ってくる彼の名はルイス
歳は16で、10歳の時に弟子入りしてきた…息子のような存在
実力も十分あるから、この歳で代理とかを任せてるんだけど…ちょっと馬鹿なとこある
ル「今、失礼なこと考えましたよね」
ガ「うん。で、期待の新人は?」
ル「否定しない……まあいいや。あそこ、Aブロックで勝ち残った2人です」
ガ「Aブロック………あ」
フード越しに見えた赤い目から視線を逸らして見れば、先ほどまで一緒にいた二人が立ってた
まだ開始五分も立ってないけど………
ガ「ふぅん、本当に実力はあるんだ」
ル「?知り合いなんですか?」
ガ「まあ、たまたま知り合ったけど、もう会うことはないと…」
ル「え!?あの二人結構いい人材だと思いますよ!!がむしゃらに動くわけでもなく、しっかり考えて動いてたし…一撃もかなりでかかったし!!!」
うん、強いことはよくわかった
俺個人として、あまり関わりたくないだけなんだよ
なんて、気づいてもらおうとしても……ルイスはそういうとこ抜けてるから無理なわけだ
ル「…じゃあ、あの二人のトーナメント戦見てからまた考えましょうね?」
ガ「……わかったよ」
顔を覗き込みながら笑顔を見せたルイスの、灰色の髪が目に映る
………ルイスとは、合わない人種な気がしてならないよ
ま、この後の試合を見て引き抜くかは考えるとしようかな?
ガ「あ、他の有力候補は?」
ル「あー…他ブロックはなんか、普通ラインなので、トーナメント戦で見定めます」
ガ「仕事してよ」
普通ラインってどこからなのか
少なくとも、君ラインで考えるのはやめてほしい
ため息の数が増えるガイは、かなりの苦労症のようだ
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