傍観者でございます

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遡ること一時間前 「ねー!今度の休みこれ食べいこ!真琴好きそう!」 真「嫌だ。休日まで一緒にいたら確実に巻き込まれる」 「それいつも言ってるよね。ファンタジーなんちゃらだっけ?」 真「転生系の話ね」 私と友人、神田刹那は家が向かい同士の幼なじみだ 初めて会った時のことは覚えてないけど、中学校辺りから私は密かに思っていた 確実に主人公系の人間であると。 刹「転生って言われてもなぁ…真琴の言う魔法の話とか難しいんだもん」 真「……まあ、本当にあるとは限らないですし」 刹「でしょ?だから行こ!」 真「イベント消費するから断る」 頬を膨らます刹那はさて置き、私はゲームのイベント消費に忙しいからお断りしました 主人公なのにハーレムいないのって? そこが普通とは違うんですよね 小、中、高と長い間仲良くしてこれた理由は、よくある王道主人公のように性格がパッパラピーしてないからだ ダメなことはダメ、間違っていたら謝る、ハーレム達にも同様 というか、何よりも私を優先して物事を考える刹那にとって、登校時や帰宅時を共にされるのは嫌らしいです。 自分が正しい、間違ってない、愛されて当然……なんて人間だったら私は既にその心を木っ端微塵に粉砕しますよ 喧嘩強いのって? 言っちゃ悪いけど文武両道だよ うちの実家が道場というか、お母さんが剣道の師範で、お父さんは空手してます 常人じゃあり得ないこと軽くする両親に付き合わされた一人っ子の私と、勝手についてきた刹那は言ってしまえば怖いものない だからこそ、巻き込まれそうでこわ………………ん? 刹「ねえねえ、またあるよあれ」 真「見るな寄るな触れるな逃げろ」 刹「へ?ちょ、ま、オゥフ!?」 絶対いつか召喚とかされちゃう系な刹那は、何度かそういう現象に立ち入ってます こちらに向かってくる黒い穴を見た瞬間、刹那を掴んで私はUターンしました あ、離れたほうがいいや 真「自分で逃げて。私も離れ……おい離せ」 刹「なんかはやくない!?いつもより早いよね!?!?」 真「いいから離せ!!ちょ、お……」 いつもよりやたらスピーディーな穴は、一瞬にして私ごと飲み込み 白い空間にいました
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