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「えー……昨日から気づいてる人もいるが……橘は体調を崩して入院している……」
窓の風景を眺めていた晴太は、その先生の話を聞いて少しだけホッとした顔をする
「小澤……何外を見てにやけてるんだ……?」
「いえなんでもありません……話を続けてください」
HRを終った直後にいきなり後ろの席の零太が肩を捕まれた
「なーに……完璧女子の橘に惚れたのか?」
「いや違うからな……うん」
「ふーん……それならいいのだが」
「逆に聞くと……零太まさかだが?」
「おねシャス!!」
急に叫んだ零太……つーか何故におねシャス?って思った
ざわめき出す教室
「キチるのも……大概にな……じゃ」
「あっ……おい!」
廊下を物凄く走り去る晴太
外に出ると教室がざわざわしまくっていた……
教室の所を見上げていると担任が話しかけてきた
「小澤……何してんだこんな所で……?」
「あっ……アブタPさん」
「誰がアブタプロデューサーだ!あとその名前はやめろ……」
タバコを吸い出す如月先生……
「先生……あの橘のいる場所って教えてもらえませんか? 」
笑いながら喋る如月先生
「なんだ……惚れっちまったのか?」
「違います……ただの腐れ縁みたいのがありまして」
ポケットをゴソゴソしながら何かを取り出す
「まぁなんだァ……お前がここに来るのなんとなくわかっていたがァ……惚れるより慣れってか」
ポケットから取り出した紙を晴太に差し出します
「これがアイツが入院している場所って訳だ……その場所に行って何するかは知らねぇが……頑張れよ」
「はぁ……ありがとう先生」
「はっ……気分を晴らすために来たのがちと違ったが……」
頭を掻きながら職員玄関方面に歩き出す
急に立ち止まって空を見上げて喋る如月先生
「この先、目の前が見えないことがあってもあきらめんなよ」
そう言ってまた歩き始める
「んだよ……親父みたいなこと……言わないでくれよな」
もらった紙を見つめる先生
「この場所……どっかで見覚えがー」
夕方、日が暮れる前帰り道を歩く晴太
夕日が背中を染める……考えてるがなかなか思い出せない
帰宅すると……灯りがついていた……閉めたはずの玄関も空いていた……もしやー
ドアを開けて中に入ると
「おい!誰だ人の住処にー」
「あら……おかえり」
「龍ケ崎!?」
ほのぼのした顔でコチラを見ていた
「なぁ……一様鍵閉めような……それ常識」
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