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2年生になってクラスは離れてしまった。
でも僕達には関係無かった。
休み時間、登下校。僕と彼女は常に一緒にいた。
余命なんか忘れてしまうくらい楽しく過ごした。
そして月日は流れ、とうとう来てしまった。
「あなた…私はもう…駄目かも…」
「よく、頑張ったね…。僕も近いうちに、追いかけるよ」
「あなたは…まだ…ゆっくりしていなさい…」
「何言ってんだ。僕だって…もう疲れてるんだ」
「ふふふ。あなたに告白されて…もう64年ですか…今までありがとうね」
「こちらこそ」
「あなた…愛してるわ」
「僕も愛してるよ…おやすみ…」
彼女は自宅の布団の中で静かに息を引き取った。
彼女は余命1年半と宣告されていたのに2年、3年と過ぎていた。
そして結局、病気なんか元から無かったかのように80年も生きることが出来た。
何が余命だ。そんなもの愛の力でどうにでもなる。
そう、僕は思った。
彼女がいなくなってこの家は静かになった。
もう思い残すことはないんだ。
彼女が亡くなってから約1ヶ月後、僕は彼女の後を追った。
天国でまた・・・告白するんだ。
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