欠点

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彼、斉藤仁史は完璧な人間だ。 超イケメンかどうかは 主観によるものだから置いておいて。 それでも爽やかな見た目に 清潔感溢れる身なりは、 ほとんどの人間の いい男基準はクリアしていると思う。 ウィットに富んだ会話、豊富な知識。 英語どころか中国語を含む五ヵ国語を操り、 上司の通訳なんかもしてる。 学歴だって 某有名私立大学にストレートで入学し、 卒業しているし。 営業成績は当然トップ。 もちろん、 女子の憧れの的……と云いたいところだけど。 ――彼は社内の人間どころか 取引先や仕入れ先の人間にすら、 倦厭されている。 何故なら。 「あ、朝比奈さん!」
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