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「は、ぁっ…」
日も登らない夜中、私は飛び起きました。妙にリアルなあの感覚は、確かに魔王だった頃に感じたもので
微かに震える体に思わず笑みがこぼれる。もう、私は魔王ではないのに、私はオルト・レインズという1人の人間で、あの人は使い魔としてそばにいてくれて
そこまで考えて、ふと違和感に気付きました。いつもなら隣に寝ているはずのあの人が、いない
考えるより先に私は寝室を出て白月さんを探していました。夢のせいか思考が上手く纏まらず、無駄に広い部屋を片っ端から探していきました
電気を点けずに探し回っていたせいか、何かにぶつかり、倒れる前に抱きとめられました
「オル?こんな夜中に慌ててどうしたの?」
「白月、さん…」
気が付けば私は白月さんに抱き着いていました。白月さんは私のただならぬ様子に気付いたようで落ち着くまで黙って頭を撫でてくれました
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