白田川蓮香6

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「難しい、か。確かにそうね。 でももう慣れたわ。来なさい。ミカが可愛がってあげる」 「ほざけ!」 慣れた?ハッタリだ。最初は難しすぎて頭がオーバーヒートを起こす。 当然だ。自分の体を操る事しかした事のない脳が新たな機能を覚えようとするのだから。 立つという動作をした事のない赤ん坊が立ち上がろうとして悪戦苦闘するのと何ら変わらない。 自分の体の機能を増やしたら当然、脳は耐えられずにオーバーヒートを起こす。 そして慣れない事をしようとして、体の動きは鈍くなる。分身だけではない。本体でさえも。 だからこのスキルは下手をすれば足手まといを増やすだけ。 「アタシ賞金首ゲームで最初に引き当てたのが『コピー師』なのよね」 「それがどうした!」 賞金首ゲームで最初に引き当てる職業。機羅からそれは自分の天職になる職業だと聞いた。 つまり今の自分に一番合っている職業。 なら尚更私がドッペルゲンガーの使い方で負けるはずがない。 コピー師が最初に当たったお前と、ドッペルゲンガーが最初に当たった私で、私が負けるはずがない。
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