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「えぇっと、柴原さん。お気を悪くしないで聞いてくださいね」
「……?」
タブレットを手渡すのがまずかったのか?
彼女は自分のタブレットの画面を伏せてテーブルに置いた。
「この賞金首ゲームにおいて全ての操作はタブレットによって行います。
入出金、ログアウト、ログイン。もっと他の事もたくさんできます。
この世界においてタブレットを誰かに見られるという事は自殺行為と心得て下さい。
タブレットを取られて相手に勝ちを宣言されれば、ほぼ大半のプレイヤーは牢屋へと送られるでしょう。
それだけタブレットは大切な物なのです」
分かりやすくいうならば、個人情報の塊なのです。このゲームにおいては第二の自分の命と思って下さい。
海鳴さんは付け加えるように言った。
つまりは誰でも彼でもこれを見せたらいけないって事だろう。
内容は理解できたんだが、ついこの間まで二つ折りの世に言うガラケーを使っていたので、どうもこの携帯の重要性が掴めないんだよな。
ついでに言えば使い方もさっぱりだ。
だからユーザー名とか職業とか、訳の分からん事は車の中で小松井にしてもらったんだが。
こいつは一切そんな事教えてくれなかったよなぁ。俺の第二の命はあの時この馬鹿の手中にあったのか。
本人は隣で口笛吹いてるし。ほんともう、殺意さえ湧くよ。
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