柴原純五郎2

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「そう言えば純五郎さんの職業を聞いていませんでしたね。 何になったんですか?」 ミズエさんの問いかけに俺はハッとした。 職業。そう言えばそれも小松井に任せっきりだったな。 俺はタブレットを手に取り、それらしい情報を探す。 「えっと、探偵、ですかね」 小松井にしてはいいやつ選んだんだな。一瞬フィギュア職人とかにされたのかと思ったが、さすがに考え過ぎか。 「探偵ですか。助かります。なかなか出ないので」 「出ない?」 職業が出ない?妙な言い方だな。 自分が選んだ奴になれるんじゃないのか? 「ランダムなんですよ。職業は」 俺の問いには英知が答えた。 ランダムなのか。んじゃ英知の手柄でもなんでもないんじゃないか。 一瞬でも英知を褒めた事を後悔する。物凄く後悔する。
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