雨森時雨3

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「それでその……。僕の他に誰かいませんでしたか? 肌の白い女の子とか、体の大きな男性とか」 「森にいたのはあなた一人よ。他は誰もいなかったわ」 「そう……ですか」 僕は拉致された。そこまでは覚えている。 その後は……。蓮香と京介さん、機羅。みんなはどうなったのだろう。 ポケットにあるタブレットを手に取り、着信が来ていないか確認してみたが、あいにくゼロ件だった。 「着替え終わりました」 そう言うと彼女は僕の方を向き、パタンと本を閉じた。 しおり挟んだのかな? 「私からも少し良いかしら?」 「…………」 僕は少し迷ったが、頷いた。 正直な所、蓮香や機羅、京介さんの事を話す気にはなれない。 このゲームの本質が少しずつ分かってきた今、あまり他人を信じ過ぎない事が大事だ。 信じれば付け込まれる。腕っぷしのない僕がこの世界で生き残るには日頃の言葉一つから注意しないとだめだ。
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