雨森時雨3

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「何なら私が襲っても構わないのだけれど」 「止めて下さい。お願いします」 楽しいのだろうか。僕をいじめて。人をM呼ばわりする前に、この人がすでにSなんじゃないのか? 「まぁ冗談はこの辺りにしましょうか」 もっと前に止めて欲しかったんだけどな。なにぶん耐性がないものだから体が火照って仕方がない。顔が赤いのが自分でも分かる。 「雨森時雨君。あなたこれからどうするの?行くあてはあるの?」 「これから……ですか」 もちろん3人を探さなくてはならない。 神頭さんとお礼がてら少し話してしまったが、本当はすぐにでも電話がしたいのだ。 早く無事を伝えてあげないといけない。合流はしなくてもいい。ログアウトすれば向こうで会えるから。 そしてもう二度とログインなんてしないから。 とりあえず最初にやる事は決まっている。 「現実世界に帰ろうと思います」 こちらの世界で電話が繋がらなければの話だが。
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