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「死神の使い」
俺はそう答えた。そして死神の言う「花火」から目をそらしてタブレットを見る。
ユーザー名設定の欄をタップする。
「あはは!それはいいな!」
起臥魯迅がご機嫌に笑い、車を走らせた。こいつが笑う。俺が恐怖する。しばらくこんな関係が続くのか。
俺は正気を保っていられるのだろうか。こいつが笑う時、俺も隣で笑っている日が来ない事を切に願う。
蓮香に、竜馬兄さんに、顔向けできない。
俺は揺れる車の中でユーザー名を打ち込む。
「じゃぁ死神の使いよ。お前にはまた一仕事してもらうぞ」
「今度は何だ」
「また捕縛さ」
起臥魯迅はピッと指で挟んだ写真を差し出した。
俺はその写真を受け取る。黒髪で短髪。頭の良さそうな、いかにも真面目な男が写っていた。
「黒柱剛馬。ギルド獅子奮迅の幹部だ。
そいつを捕縛しろ」
『ユーザー名は「死神の使い」でよろしいですか?』
俺は『はい』を選択した。
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