起臥魯迅3

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人ってのは脆い生き物だ。 人は一人では生きられない。 京介が蓮香ちゃんを大事に思うみたいに。誰かは必ず他の誰かに支えられて生きている。 時にそれは強みになり、弱みにもなる。なんだか少年漫画みたいな事を言うけど、大切な人がいると人ってのは頑張れるらしい。 時雨くんと機羅くん、蓮香ちゃんと別れた俺は、それでも3人が気になって少し尾行していた。 3人が気になって、と言うのは少し違うか。 どちらかと言えば蓮香ちゃんのお兄さんが気になっていた。 言っておくが俺はホモじゃない。そんな趣味はない。 ただ機羅くんとタッグを組めるほどの女の子。白田川蓮香。 その兄は一体どんな人物なのだろうと、そういう意味で気になっただけだ。 あわよくば俺の計画に入れてやろうと目論んでいた。俺の計画。賞金首ゲームを始めて俺が最初にしたのは情報収集。 集めた情報を見て、考えて、一番楽しそうな計画を立てた。予言しよう。これからこのゲームの中の連中はこの俺に振り回される事になる。 ワクワクして笑いが止まらないね。 3人を尾行して、そして俺の予想は見事当たる事となる。白田川京介。あいつは面白い武術家だ。 少しいじれば人間兵器にだってなりうる。戦い方は雑だが、言ってみればダイヤの原石ってところだ。 磨けばピカイチの駒になるだろう。あの九地クレハと無職で渡り合ったのだから間違いない。
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