8984人が本棚に入れています
本棚に追加
賞金首ゲーム。
僕はそれを、初めはテレビゲームか何かだと勘違いしていた。
人生ゲーム、スゴロクゲーム、賞金首ゲームみたいな。
裏側のネットで囁かれているゲーム。いろんな書き込みがあるんだけど、何だか書いてる事が中二病ちっく。
これが現実ならはっきり言ってこの日本はこのゲームのせいで崩壊する。秩序が根っこから崩れて、そこから上はビルが崩壊するように崩れ去る。
どこまでが本当でどこまでが嘘なのか分からないが、そのゲームに関する書き込みはどれも信じがたい物ばかりだった。
馬鹿らしい。僕でも笑えてしまう。半分空想世界の人間のようなこの僕でも。
そんな物、所詮は誰かが書き込んだ文字でしかない。
単なるゲームの楽しみを広げるための演出。自分達だけで盛り上がるための書き込み。
自分がゲームの中に入り込んだと仮定して、頭の中でモンスターと戦ってるような奴の書き込み。
その程度だと思っていた。
だってそうだろ?
誰々に殺されかけたとか。一人捕縛。今月はこれで暮らせるぜ!とか。
ちょっ。職業マジでぱねぇの出た、とか。
そんな書き込みがツラツラと続いてるんだけど、これがゲームの中の話じゃなくてなんなんだ。
僕はパソコンの画面を下にスクロールしながらそんな稚拙な書き込みを読む。
その中にたまたま賞金首ゲームの売り出し価格が書かれていた。たまたまだ。別に探していたわけじゃない。
けどその金額は、賞金首ゲームの実在性を強く主張するような額だった。
それを見て、少し寒気を感じた。
最初のコメントを投稿しよう!