起臥魯迅1

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「おめでとうございます。あなたの賞金は飛級となりました」 「ん?何かーー」 ボソボソっと何か女が呟いた。 聞き返そうとしたが、その前に自動ドアが閉じて遮られる。 んな声で言っても聞こえんだろう。 もとより独り言だったのかもしれないが。 俺が聞こえない程の声って、相当小さい声だぞ。 人間の声量ってそんなに小さくできないはずなんだが。 まぁあの女ならなんでもありか。 「さて……」 俺は外に流れる風を受けた。 気持ちいいな。見た所緑一色の草原。 しかしその風に乗って異質な匂いが3つ混ざっていた。 これは香水か?シャンプーかもな。 それと血、汗の匂いだ。 人の気配が3つ。うち2人は落ち着いてるみたいだが、一人は心臓バクバクだな。
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