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目を疑った。
僕は自分の目を疑った。目の前の光景を見て呆気に取られた。
後少しで3人の情報にありつけるという大事な場面で、思わぬ事態に巻き込まれてしまった。
今までの自分を隠して、キガロジンになりすまし、会話のペースを竜馬さんのイメージで掴んだ。
雷地という人物の嘘を看破して、緒方銀閣さんの誘いに乗って将棋で打ち勝ち、今からが僕の時間だと言うのに。
そこまで詰めたのに、後ろから響いた声で全てが台無しになった。
後回しになってしまった。
「助けてくれ!」
僕は声のした方に目を向ける。
そして息を飲んだ。目を疑った。止めてくれと、心から叫んだ。
僕と蓮香、機羅が最初に捕縛した人物が、目の前に立っていた。
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