起臥魯迅2

6/6
8976人が本棚に入れています
本棚に追加
/1262ページ
男の顔が、表情が恐怖で埋め尽くされる。文字通り、血の気がひく。物理的にも下から流れてるからな。 目に涙が溜まり、流れる。 「いや……だ、死……たくない」 そうだよ。その表情だよ。 俺はそんな表情を見たくてこのゲームを始めたんだ。もっとぐちゃぐちゃに表情を歪ませろ。死に際で狂気になって命乞いしろ。 この手で人を惨殺したかったから、もっと派手な殺し方をしたかったから。まさに爆弾でも腹の中に仕込ませて、ドカンってしたかったから。 だから始めたんだ。自殺なんて装わなくていい。いくら殺しても警察はこない。 次はどうやって殺そうか。 切り刻むか。それとも頚椎にスッと針を打ち込んで眠った様に殺すか?なぶり殺しってものありだな。 手足を順に切り落とすか。切った側から硫酸をかけて皮膚を溶かして止血。また切って止血。また切って止血。また切って止血。また切って止血。また切って止血。 「くくく……。あはははは。最高だな。ドキドキする。ワクワクする。高揚する。ウズウズする!」 もう動かない男たちを背に俺は歩き出す。 まだまだこんな物じゃない。このゲームはもっともっと楽しい事が詰まってる。色んな事が出来る。現実では出来なかった事を全てやろう。 ゆっくり味わうとしよう。 だんだん楽しくなってきた。 俺は次の目的地に向かう。 まだ見ぬ場所。のらりくらりと歩いてこのゲームを堪能しよう。 新しい玩具を見つけに行こう。
/1262ページ

最初のコメントを投稿しよう!