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「来季の契約の件で、本部よりお話があります。
急ではありますが、本日、お時間をとっていただきたいのですが。
何時でしたら、ご都合が宜しいでしょうか?」
「えー。と。7時過ぎでしたら」
「では、7時半に事務所でお待ちしております」
無表情かと思いきや、溝畑に微笑みかけている。
顔は笑ってはいるが、目は死んだ魚のように濁ってる。
こちらへと書類のファイルを抱きかかえたまま通り過ぎる彼女の顔は、
先ほどの笑顔が嘘のように、再び感情の抜け落ちた顔へと変わっていた。
「痛々しいな、笑顔が」
つい出してしまった呟きに、彼女は足を止めた。
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