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俺がもし彼女の友人だったなら、迷わずそばにいてあげただろうし、
恋人なら、その傷が癒えるまで何度も抱いただろう。
そのどちらでもない俺には、
彼女に優しい言葉もかけてあげられないし、
彼女のために何かをしてあげることさえもできない。
そんな自分が歯がゆくてたまらなかった。
SSの劇場で、彼女が消えるまで、俺はただ見守り続けるほかなかった。
自分と彼女との距離は、あまりにも遠くて、
彼女の唇に触れることなど、果てしなく遠いおとぎ話でしかない。
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