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乾徹が作った世界観をもとに脚本されたものを振り分けられ、演出を施してきた。 可視化するのは、乾の頭の中だ。 次回もそうかと思いきや、乾の考えは違うようだった。 「舞台の主人公は一人の女。 その女が巡る世界を君たちに考えてもらいたい」 「その女は、自信家で、美しく、気高い魂を持っている。 全てを手に入れている筈なのに、充足感を味わえない可哀想な女だ。 常に心は飢え、欲し、満たされる事を望んでいる」 「欲してるって.......一体、何を欲してるんです?」 乾にユアンは尋ねた。 その質問に、乾は答えるかわりにユアンをじいと見つめた。 「なんだと思うかい?」 乾は、口元を少し緩めると、お猪口の酒をずっと音を立てて飲み干した。
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