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外回り中の裕之が顔を出したので、ランチを一緒に取った。 なんだか、予感がした。 「結婚するって」 「もしかして岩?」 「そう、岩」 「良かったじゃなーい。結婚、結婚、言ってたもんね」 「姉ちゃんのこと『タカネノハナだった』って言ってたよ」 思わず、吹き出した。 「高根公団のタカネ?」 裕之が、ホッとしたように背もたれにもたれた。 「姉ちゃんはしないの?」 「ええ、しませんとも。ヒロは?」 「俺も、する」 「ヤダー!オメデトウ!」 「今度、挨拶に来るから、姉ちゃんも来ない?」 「それ平日?」 「祝日」 「じゃあダメだわ」 裕之が、肩をすくめた。 「これじゃあトウブン、ダメだわ」
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