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結局、ケースケくんが、私の家についてきた。 なんでこうなる? 男物の着替えもないのに。 「タオル、ここ置きます」 「どーもどーも」 クッションを敷き、寝床を作った。 客用の布団、買おう買おうと思って忘れてた。 ケースケくんが、お風呂から上がってきた。 トランクスに、シャツ姿だ。 「こんなカッコでスンマセン」 「大丈夫ですよ。弟いますから」 自分もお風呂に入った。 異性なんだけど、家にいても違和感のない人だ。 お風呂から上がると、ケースケくんは即席の寝床の上で、ケータイ端末を見ていた。 夢中。仕事の顔。 そっとベッドに横になった。 もう寝ちゃおう。 「あ、ごめん。もう寝る?」 「私、明るくても寝られますから気にしないでください」 「いや。俺ももう寝るよ。電気、これ?」 「あ。リモコンあります」 消灯。 急に静かになった。 かえって、眠れない。 音楽。 こんな時こそ音楽。 「音楽かけていい?」 ケースケくんも言い出した。 「ラジオつけましょうか?」 「うん」 仕事中はよくラジオのお世話になっている。
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