第1章

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 それが、空を飛んでいたものに命中する。  すると、爆音が響き、飛行物体が大きく揺れる。  「あれ、落ちたらまずいですね」  ちょうど流輝の家の上あたりで命中していたので、落ちたら家がつぶれてしまう。  すごい心配だった。  が、飛行物体は落ちることなく、少し高度を落としただけだった。  「え、っていうかなにこれ!?」  流輝はここで初めて、非現実的な出来事が起きていると気が付いたのだ。ここで初めて脳味噌が正常に動き出したともいえる。  「やばい、どうしよう」  今ここにいるのは危険だと判断した流輝はどこかに逃げようと思ったが、近くに避難所も無いので、途方に暮れた。  ちなみに一番近い避難所は、老朽化が酷く、封鎖されていた。  そんなことを考えている間に、先程落ちてきたロボットと同型のロボットが空から数体降ってくる。  その数、四  さっきの奴と含めると、降って来たロボットは五体になる。  そいつらは同じように手の平にある銃口を向け、一斉攻撃を仕掛ける。  が、飛行物体はシールドのような物を張ると、直撃を防いでいた。  何このオーバーテクノロジー  「何、これ…………」  すると、その時、偶然にもロボットが踏みつけてしまったガソリンスタンドから、火の手が上がり、引火して、大爆発を起こす。  すると、近くの民家に延焼して、家事が起こる。  すぐに大火事へと発展する。  それを見た町中の人が当ても無い避難を始める。それを見て、流輝もついて行こうとするが、どこに行ったらいいのかよく分からなかった。  多分町の人も良く分かっていないだろう。  「さぁ、どうしましょう……」  割と真面目に考えているのだが、流輝の周りに漂うのんびりとした雰囲気のせいか、そうは見えなかった。  ま、とりあえず町の人が逃げる方向に向かうことにした。  「こっちですかね」  適当に海に向かって走り出した、その時  宙を飛んでいた飛行物体に異変が起きた。  地面の方を向いていた部分が展開して、開く。何かが出てくるかと思い、流輝は顔を上げて何となくそこを見る。  が、そこには何も無かった。  「期待した僕が馬鹿でした」  と、思った次の瞬間  一体のロボットの顔面が吹き飛んだ。  そして、内部で爆発が起こり、機体が霧散する。轟音が響き、破片が飛び、町を壊していき、爆発のときの炎がさらに火事の被害を大きくしていく。  「え、何が起きた?」
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