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他の四体のロボットは、攻撃する手を止めて辺りを見渡していた。どうやら何が攻撃を仕掛けてきたのか探しているらしかった。
が、さらにもう一体が爆発し、残った三体は飛び上がると、散開する。
それを見た流輝もつい、辺りを見渡してしまう。
「はっ、何してるんだ、僕は!!」
流輝は正気に戻った!!
もう一度、海に向かって走ろうとする。
と、そこで偶然にも流輝の近くに一体のロボットが舞い降りる。
着地のときの衝撃波と振動に襲われ、流輝は地面に倒れこんでしまう。
「うぐっ…………」
流輝は飛んでくる破片から体をかばうように、腕をクロスさせて、より一層体を小さくさせ何とかしのぐ。
「クッ」
悪態をつきながら何とか立ち上がる。
と、同時にロボットが何者かに撃ち抜かれ、大爆発を起こす。
「あ――」
流輝の近くで大爆発を起こす。
それはさっきの衝撃波や振動とは比べ物にならないほどの威力で、辺りの建造物を見境なく崩壊させていく。
流輝もそれに巻き込まれ、吹き飛ぶ。
運よく、炎に巻き込まれこそしなかったのだが、それでも一瞬宙を舞い、崩れなかった塀に頭をぶつけてしまう。
「ウグッ!!」
生暖かい感触が後頭部を覆う。
額から血が流れて口に入る。
やっぱり鉄の味がした。
正直、不味い。
「うぅ……」
流輝は小さく呻くと、目を開けた。
目の前が揺れる、気分が悪い、頭が痛い。
手足にうまく力が入らない。
前にもこんな感触を味わった気がしてきた。
いつの事だっけ?
あぁ、そうか
あの事故だ
ヤダ
死にたくない。
意識が混濁していく。
何かが脳味噌を犯してくる。
くらくらする、さっきのくらくらとは違う。
気持ちのいいくらくらだった。
「…………」
いやだ
その時
何かが起きた。
その頃上空で、ダーレスはパソコンを眺めつつ小型輸送空中戦艦『シャンタック』の内部で、反応を追っていた。
ちなみに座っているのは指令席、周囲には数人の男たちがそれぞれ作業をしていた。
と、その時、突然反応が消え、ダーレスは驚きのあまり立ち上がる。
周囲の情報処理班もそれに気が付いたらしく、ザワザワとこえがあがる。
ダーレスは椅子の手すりに拳を叩きつけると、叫んだ。
「クッ……契約者に呼ばれたのか!?」
「大変です!ダーレス隊長!」
「分かっている、反応が消えたのだろう」
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