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「それもあるんですが…………」
「何だ」
「戦闘中の地域に反応が……」
「!!」
ダーレスは報告に来た男を押しのけ、窓際に張り付くと、そこから眼下にある戦闘中の町を睨みつける。
するとそこには…………
流輝は困惑していた。
頭がぼんやりし、気分が悪くなり、目の前が真っ赤になった瞬間、目の前が真っ暗になり、何かが現れた気配がした。
流輝は顔を上げると、そこには巨大なロボットが鎮座していた。
その姿は、異形の物だった。
無駄にでかい図体に、少しスリムな脚、背中からは長い棒のような物が伸びていた。全体から見るとずんぐりしているのだが、決して不細工な体つきでは無かった。
顔は丸く不気味にデュアルアイが光っていた、有機的な形をしていたが、どういうわけか顔の下半分が管のような物で覆われていて、胸の上部に接続されていて、まるで蛸のような顔だった。
片手には手斧、と言うには大きめの斧が握られていた。
もう片方の手には、コの字型をした、不気味な銃のような物が握られていた。銃口は、上下に二つあり、よく分からない構造をしていた。
「え?」
突然、目の前にロボットが現れ、流輝は目を白黒させる。
いったい、何だというのだ。
が、現れたロボットのおかげで正気に戻り、何とか立ち上がることに成功した流輝は、何の気も無しにロボットを見上げる。
すると、ロボットの目が光った。
「あ…………」
それを見て、流輝は頭の隅っこがうずくのを感じた。
あれ?
どこかで…………
見たことが……
ある?
流輝の思考が混乱する。
そして、体が勝手に動いてしまう。ロボットの後ろに回り、見上げる。そこには変な形をするバックパックがあった。
すると、バックパックが二つに割れるようにして展開すると、内部にあるコクピットが開かれる。
が、それでも全長二十m以上ある巨大ロボット、少し屈んでいるだけではコクピットには届かない。
が、コクピット内部から触手のような物が出てくると、流輝の体に巻きついて来た。少し気持ち悪かったが、何となく反抗できなかった。
そしてそのまま、されるがままにコクピット内部に入って行く。
「……何だでしょう、これ」
流輝は、強制的に椅子に座らされると、そこで初めて触手が離れて行った。
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