第1章

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 そして辺りを見渡してみる。コクピット内部には、巨大な椅子に、手すりとグリップのような物が付いたもの、そして、足を載せ、収めることができる所があった。  周りには三六○度に周りの景色が映っていた。どうやら内部に外の風景が投影されているらしい。  流輝はよく自分の置かれている状況が理解できていなかった。  「何だよ……これ」  よく分からないなりに、流輝はとりあえず足を載せ、グリップを握りこむ。  すると、辺りに新しい映像が空中投影されていく。  そこには様々な情報が出ていた。  流輝にはそれらが何を示すのかよく分かっていないのだが、それでも、目の前に現れた、文字のみが出ている映像を見続けていた。  そこにはこう出ていた。  『Cthulhu』  「クトゥ……リュー?ルフ?」  流輝は発音に困る。  が、声に出したことで目の前の映像が消え、流輝の意識が一瞬途切れる、その際に、隣に『精神同調開始』と出たディスプレイが目に入った気がした。  次の瞬間  流輝は意識が『クトゥルフ』と同化したのを感じた。  自分がしゃがんで、町の中心にいることが分かった。  首を動かして、辺りを見渡してみると、逃げ惑う人々や、こっちを警戒しているロボット達が見えた。  すると、襲って来たロボット達に、名前のタグのような物が出たのが見えた。  『Ithaqua』  「えーと……日本語名は?」  そう呟くと、文字が日本語に変わった。  『イタクァ』  「イタクァ?」  流輝がそう呟くと同時に、『イタクァ』がバックパックにマウントとしていたレールガンを取り外すと、手に持ち構えてきた。  「クッ!!」  流輝は『イタクァ』が銃を撃つ前にかわそうと、『クトゥルフ』をジャンプさせると、その場から離れ、『イタクァ』の射線から離れた。  そして、斧をとりあえずしまうことにする。  『クトゥルフ』が提示した情報に従って、腰裏のアーマーに斧をマウントすると、流輝は銃口を『イタクァ』に向けた。  「くらえ……」  流輝は引き金を引くと、攻撃した。  すると、触手のような形をしたものが二本飛び出すと、それが『イタクァ』に向かって飛んで行く。先端の部分は小型ブースターが搭載されているので、自動的に『イタクァ』を狙って行く。  『イタクァ』は、まさか攻撃されるとは思っていなかったらしく、上半身に二本とも触手を受けてしまい。
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