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女性。なのに、男に負けない鋭い瞳の光。
年上。なのに、時折誰より甘ったれ。
上司。なのに、部下に軽口を叩かれる親しみやすさ。
長身。なのに、プラス五センチのヒールを履いてモデル歩き。
美人。なのに、そこに気取らず奢らず自然体。
社交的。なのに、自分の世界はきっちり持ってる。
……完璧。
"なのに"の後の話をすると、友達はみんな羨ましがる。
そんな話で盛り上がった友達とのランチの帰り。お腹一杯で満足満足ーと、お店に帰るその途中。
「あ、えりちゃーんっ」
実質お店を切り盛りしている上司と出くわした。
私―――暮野 えり―――が勤めるお店。それは個人経営の小さなレストラン。
地元に愛されるお店を目指し日々精進しているのは、女性でありながら身長180に迫るスタイル抜群の美女でありさらに、レストランの厨房の一切を任されているこちらの美人過ぎるシェフ。
そして、料理の一切が全く出来ないくせに女性客からのハートマーク混じりの視線独り占めな店の主という肩書きを肩に背負うイケメン店長。
最後に。客席を行ったり来たりしつつ、暇を見ては裏でパソコンとにらめっこする事務員私。
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