第4話 里帰り

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お昼まで病院にいて、それから二人で実家へと向かう道中で、ランチタイムにすることにした。 「なかなかお洒落なお店だね」 七美はご満悦の様子である。 とりあえず美味しい物を食べさせておけば機嫌がいい。 「私はパスタランチにする。ゆつちゃんは?」 「じゃあ一緒で」 「え~~~一緒かぁ~~~」 案の定七美は口を尖らせる。 別の物を頼んで、一口貰おうという算段なのだ。 「じゃあ七美が変えればいいじゃん」 「あっ、その手があったか。じゃあチキンソテーにしよっと」 すぐにニコッと微笑む。 まるで思考回路が子供で、本当に可愛いったらありゃしない。 改めて幸せを感じた。 「でも、お父さんと話せて良かったでしょ?」 七美が優しく微笑む。 「あ、うん。そうだね」 ワタシは素直にそれを認めた。 ずっと怖くて大嫌いだった父。 七美が行こうって言わなかったら、ずっと怖くて大嫌いだったまま、父と永遠の別れをすることになっていただろう。 「有り難う七美」 「やっぱり私のすることに間違いはないでしょ? これからも全部従うこと」 「バカ。調子に乗らないの」 「あはは」 七美は嬉しそうに笑った。
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