第4話 里帰り

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「お待たせぇ~」 キッチンから声がして、ゆつきは洗面所から出る。 いつも一緒に料理をすることはあるけど、七美が一人で作ってくれたことはないから、少しだけ楽しみだった。 「あれ?」 テーブルの上のお皿には、火の通り過ぎた目玉焼きと、少し焦げ目のあるハム。 サラダとトーストはさすがに大丈夫そうだ。 「何よ?」 「ううん。何でもない」 ゆつきは椅子に腰かけた。 「ちょっと焦げちゃったけど、まぁお腹に入っちゃえば関係ないもんね」 「そうだね」 ゆつきはため息を吐く。 やっぱりワタシがいてやらないと……。 ゆつきは改めてそう思った。 朝食を済ませて二人で家を出る。 会社までバスを乗り継いで通勤する時間も、七美と二人だと楽しい。 こんな幸せが一生続くようにと、ゆつきは今日も願った。 「あ~~~今日は清田デイで、憂鬱だ~~~~」 「そうだね」 「でも、その地獄の時間をクリアすれば」 七美がニヤッと微笑む。 「すれば?」 「ゆつちゃんのお誕生会だよ。ケーキ何にしようかなぁ? やっぱホールで買って蝋燭立てないとね」 七美は子供みたいに笑った。
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