第4話 里帰り

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「ねぇ次はどこに行く?」 七美はニコニコして聞いてくる。 「そうだね。小学校に行こうか」 「うん」 歩き始めると、七美が腕を組んできた。 もう誰かに見られたらなんて思ったりしない。 ワタシたちは愛し合っていると、誰に白い目で見られようとも胸を張って言えるから……。 五分ほど歩いたところで、理髪店から若い男の人が出て来るのに出くわした。 「あっ」 相手の男がこっちを見て声を出す。 「えっ……」 その瞬間、ゆつきの身体が硬直した。 「ゆつちゃん。知り合い?」 聞いてくる七美の背後に隠れるように移動する。 「え?」 「ワタシを虐めてた人」 ゆつきは小声で七美の耳元に囁いた。 「あの、何か?」 七美がキツイ口調で相手を睨んだ。 「えっ、いや、あの……久しぶりだよね」 七美の剣幕に一瞬たじろいだけど、樋口幸登はすぐに微笑んで話しかけてきた。 ゆつきはそれには答えず、七美の後ろで身体を小さくする。 「アナタ、私のゆつちゃんを虐めてたんでしょ? よく話しかけて来れますね?」 さらに七美はキツイ言い方をした。
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