第4話 里帰り

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「もういいです」 ゆつきはようやく声を出すことが出来た。 「そっか、あの……」 「はい」 「今年のゴールデンウィークくらいにさぁ、集まれるヤツだけ集まって、同窓会みたいなことをやらないかって話が上がっててさぁ、良かったら参加しないか?」 「それは……」 「いや、イヤならいいんだ。でも、もう俺も大人だし、君が不快に思うようなことはしないから」 「え、ええ、まぁ……」 ゆつきは返事を濁した。 「一応幹事から君の実家にハガキを送るように言っておくけど、実家ってまだ元の住所のままかな?」 「はい」 「そっか、じゃあ」 幸登は笑顔で軽く手を上げると、理髪店の前に停めてあった自転車に跨った。 「じゃあ小学校に行こうよ」 「ああ、うん」 七美に促されて、ゆつきは頷く。 「あの人、ゆつちゃんのことが好きだったんだね」 七美が嬉しそうに横目で見る。 「そうみたいだね」 「小学校時代のゆつちゃんって、可愛かったんだろうなぁ、写真見たい」 「そうでもないよ」 「ねぇ、実家に写真あるでしょ?」 「それはあるけど」 「やった。じゃあ後で見せてね」 七美は満面の笑みを浮かべた。
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